2022年12月10日、Social Space Akasakaで開催された「VPJ The Debaters」では、日本でのキャリア形成についていろいろな視点が飛び交いました。4名の経験豊富なゲストスピーカーをお招きし、「日本企業か外資系企業か」「大企業か中小企業か」といったテーマでディベートを展開。どちらを選ぶべきか、白熱した議論が繰り広げられました。

ゲストのワークライフバランスに対する見解

  • 住友三井銀行の副社長、ダン・ホアン・フォン氏は、2児の母として家庭と仕事の両立について語りました。家族への愛と仕事への情熱が彼女の大きなモチベーションであり、子どもたちにも「母親としてだけでなく、キャリアに挑み、夢を持っている姿」を見せたいと話しました。
  • 一方で、Stripe, Inc.のソフトウェアエンジニアであるブ・ニャット・ミン氏は、新しい挑戦を追い求め、転職を通して成長することの重要性を強調。「FOMO(見逃すことへの恐れ)」を感じつつも、あえて異なる環境に飛び込みながら自己成長を図っていると述べました。

トピック1: 日本企業か、外資系企業か?

ディベートは日本企業と外資系企業の比較から始まりました。

  • 日本企業チームのダン・ホアン・フォン氏とグエン・ヴ・タン・トゥン氏は、日本企業が提供する安定性と充実した福利厚生を強調しました。フォン氏は、「日本企業は大学のように継続的な研修を行い、グローバルなリストラの波にも対応できる強みがある」と述べました。
  • 一方、外資系企業チームのグエン・ドン・ズン氏とブ・ニャット・ミン氏は、外資系企業が高い報酬と動的な職場環境を提供する点に加え、個人の効率性と組織の目標達成に向けた一体感を重視していることを指摘しました。さらにズン氏は、課題に直面することで自分の価値を高める機会が得られると強調しました。

トピック2: 大企業か、中小企業か?

次に議論されたのは、大企業と中小企業のどちらを選ぶかというテーマでした。

  • 中小企業チームのグエン・ヴ・タン・トゥン氏とブ・ニャット・ミン氏は、中小企業、特にスタートアップ企業がリスクが伴うものの、大きな成長機会やネットワーキングの可能性があると主張しました。ミン氏は、若いうちには挑戦を恐れず、こうした企業で幅広い経験を積むことがよいと述べました。
  • 大企業チームのダン・ホアン・フォン氏とグエン・ドン・ズン氏は、大企業が豊富なリソースを活用して社員の成長をサポートし、海外勤務や社内異動など、キャリア形成における多様な選択肢を提供すると強調しました。フォン氏は、大企業は規模が大きく、また、部門間の異動が可能であるため、内部問題を効果的に解決できると述べました。

聴衆との対話

イベントには多くの関心が寄せられ、キャリア形成、ワークライフバランス、財務管理、企業文化の違いなどについての約30件の質問が飛び交いました。ゲストスピーカーは、自らの経験に基づく実践的なアドバイスを提供し、キャリアアップのために自発的に機会を見つけ、自分の価値を高めることが大切であると強調しました。

「VPJ The Debaters」は、多くの参加者から高評価を得て、日本でのキャリア形成に関する貴重な知見を提供する機会となりました。イベントの運営チームは、ご参加いただいた皆様に心より感謝申し上げるとともに、今後のVPJのイベントでさらに多くの感動と学びをお届けできるよう努めています。

筆者: マイ・リン
編集者:リュウ・ホンギ
翻訳者:チャウ・アイン